「格安SIMを使うと、スマートフォンの月々の利用料が安くなる」
こんな声を耳にされたことがあると思います。
大手キャリアのスマホの場合、毎月7~8000円かかったり、端末代も含めると1万円を超えることも珍しくありませんが、格安SIMの場合、月額1980円であったり、1000円未満のところも少なくありません。
本当にこのような差が出ているとしたら、知らないと損な気がしますよね。
「格安SIMにすると、毎月の料金が安くなった」
「格安SIMって分かりやすい」
みなさんの声がそんな風に変わるように、格安SIMについてまだまだ分からないことがたくさんあるという方にも分かりやすく説明します。
目次
SIMカードにはスマホを契約したときの情報が詰まっている
格安SIMの前に、まずSIMカードとはどんなものでしょうか。
SIMカードは、スマートフォンや携帯電話を契約した際の個別の情報である、電話番号、端末識別番号(IMEI)などが入っているICカードです。
このSIMカードが入っている端末で、電話を使用したり、モバイルデータ通信を使用することができます。
よって、別の端末にSIMを差し換えると、その端末をそれまで使用していたスマホと同じ電話番号で使用することも可能です。その分、利用している通話時間(通話代)や通信料(パケット代)も引き継がれますので、当然、利用料金もそのSIMカードを契約しているところに請求されます。
このように、契約プランや使用状況などが入っていますので、SIMカードをどのようなプランで契約しているかによって、月額の料金が変わってきます。
格安SIMには大手キャリアとの違いがある
ここからは格安SIMの安さの理由について説明していきます。
格安SIMが安くなる理由は設備費用の安さにある
格安SIMの月々の利用料金が安くなるのには以下の理由があります。
- 大手キャリアが使用している電波領域をレンタルするため、初期投資がかからない
- アンテナや基地局のメンテナンスの費用がかからない
格安SIMを扱っている事業者は、MVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ばれ、大手キャリアといわれるdocomo、au、ソフトバンクが使用している電波領域をレンタルすることでサービスを提供しています。
どのキャリアの電波領域を借りているかは、MVNO事業者によって異なりますが、大手キャリアがかけている初期投資やメンテナンス費用が必要ないため、月額の料金を安くできます。
格安SIMからインターネットに接続する場合には、MVNOのサーバーを経由します。
そのため、同じキャリアの電波領域を使用しているMVNOでも、サーバー等に対する設備投資によって、通信速度や品質、月額の利用料等に差が出てきます。
MVNOの種類と特長
MVNOの事業者は実はたくさんあります。
大きく分けると、以下の通りです。
事業者名 | 利用回線 | 特長 |
---|---|---|
楽天モバイル | ドコモ | 楽天スーパーポイントが貯まる |
FREETEL | ドコモ | メッセンジャーアプリのデータ通信量が0円 |
エキサイトモバイル | ドコモ | 乗り換えでも契約したその日から使用できる |
IIJMIO | ドコモ | 専用のダイアルアプリを使用すると通話料半額 |
DMM mobile | ドコモ | 63000箇所以上のWi-Fiスポットが2か月無料 |
NifMo | ドコモ | 対象店舗を利用すると料金が安くなる |
BIGLOBE SIM | ドコモ | Gポイントが貯められ、月額料金にも使える |
OCN モバイル ONE | ドコモ | 速度制限ありなしの切り替えが自由にできる |
DTI SIM | ドコモ | スマホ本体をレンタルして端末代が安くなる |
ロケットモバイル | ドコモ | 最低月額料金298円の神プランがある |
イオンモバイル | ドコモ | 各種手続きが全国のイオン店頭でできる |
b-mobile | ドコモ | プリペイド型のSIMカードがある |
ASAHIネット LTE | ドコモ | ASAHIネット会員になると割引がある |
So-net | ドコモ | 月間通信量500MB未満は無料のプランがある |
ぷららモバイルLTE | ドコモ | テザリングにも使用できる |
hi-ho LTE | ドコモ | 低速通信時も始めの一定量だけ高速通信できる |
YAMADASIM | ドコモ | FREETEL/So-net/U-mobileから選べる |
LINEモバイル | ドコモ | LINEモバイル同士ならデータ容量をあげられる |
U-mobile | ドコモ | U-NEXTの映像コンテンツがお得に観られる |
スマモバ | ドコモ | 手続き等が行える店舗が多い |
BIC mobile one | ドコモ | 7日間だけ利用できる短期プランがある |
BIC SIM | ドコモ/au | 法人用の格安プランがある |
mineo | ドコモ/au | オプションでメールウイルスチェックができる |
Fiimo | ドコモ/au | ドコモとauどちらの回線を利用するか選べる |
J:COM MOBILE | au | J:COM NET等に加入している方はさらに割引 |
UQ-mobile | au | お店に行かなくても充実のサポート体制 |
Y!mobile | ソフトバンク | 通話時間、回数無制限のかけ放題プランがある |
TNCモバイル | ソフトバンク | ソフトバンクWi-Fiスポットが無料で使える |
ここに挙げたのは一例で、他にもたくさんの会社が参入していて、各事業者ごとに料金プランや通信速度などいろいろな違いがあります。
一度でも名前を耳にした事がある事業者なら安心などあるかと思いますが、ご自身の利用状況に合わせた事業者を選択されることをお勧めします。
格安SIMと格安スマホの違いはスマホ本体があるかないか
「格安SIMと格安スマホってどう違うの?」と思われている方も多いかと思います。
その違いはめちゃくちゃ簡単で、契約時にスマートフォン本体を一緒に購入するかどうか、だけです。
スマホを利用するするなら、本体も一緒に買わないといけないと考えられる方もおられるかもしれませんが、格安SIMの場合は、本体はついてきません。
使いたいスマホの機種に契約したSIMカードを挿すことで使用することができるようになります。
その代わり、ご自身でスマートフォン端末を準備する必要があったり、端末よっては対応していない等の条件も出てきます。
これまで使い慣れたスマホで月々の利用料金を抑えたい場合は、格安SIMを検討されても良いかもしれません。
格安SIMは対応している端末で使う

close up nano sim card and smart phone on white background
格安SIMを使用するとき、ご自身でスマートフォンを準備しますが、全てのスマートフォンが使用できるわけではありません。
レンタルしている通信回線のキャリアが違う場合は使えなかったり、SIMカードのサイズが違うといった場合もあります。
特に、古い機種は使えないことが多いですが、「SIMフリー」と呼ばれる端末や「SIMロック解除」した端末と言われるスマホには使えます。
格安SIMを契約される際は、どの端末で使う事ができるか確認した方が良いかと思います。
格安SIMを使用すると毎月の料金が安くなる
「格安SIMを使うとどれくらいやすくなるの?」
ここまで格安SIMの仕組みについて説明してきましたが、一番気になるところは毎月の料金かと思います。
大手キャリアとMVNOの基本的なプランを利用した場合の違いを見てみましょう。
【大手キャリアの場合】
4000円 + 2000円 + 3000円 = 9000円
通話料が定額の場合です。
【MVNOの場合】
2000円 + ? + 0円 = 2000円+α
通話料は基本、使用した分だけ支払うことになりますが、オプションでかけ放題にする事もできます。また、機種代もすでにお持ちの機種を利用する場合です。
このように、大手キャリアと比べてMVNOの月々の料金は半額以下になります。
大手キャリアの場合、2年継続の契約や家族で契約している場合等を含むとお安くなる場合もありますし、MVNOもプランによってはさらにお安くなるプランもあります。
格安SIMを使用する際に注意すべき9つのポイント
月々の料金を抑えられる格安SIMですが、注意しないといけないポイントが9つあります。
- 通信速度が大手キャリアに比べて遅くなる場合がある
- 1か月間の制限されるまでの通信量が少ない
- 音声通話の質が大手キャリアに比べて劣る場合がある
- SIMカードが使用できない端末がある
- 別で端末を購入すると手間が増える場合がある
- 端末の故障等のサポートが受けにくい場合がある
- 利用状況によっては大手キャリアより月額料金が高くなる
- キャリア独自のアプリが使えなくなる
- キャリアメールが使えなくなる
1.通信速度が大手キャリアに比べて遅くなる場合がある
電波の領域は広く使用すればその分、たくさんの通信量を扱う事ができますが、格安SIMを提供している事業者はその一部を借りているため、利用者が多いときには通信速度が遅くなることがあります。
2.1か月間の制限されるまでの通信量が少ない
また、電波の領域の一部を借りていることで、大手キャリアに比べて1か月に制限されるまでの通信量が少なくしている事業者もあります。
契約するプランによっては1か月に使用できる通信の容量が多いものを用意しているところもあります。
3.音声通話の質が大手キャリアに比べて劣る場合がある
また、音声通話に関しては、LTEや4Gといった高速データ通信サービスを利用できる格安SIMの場合は大手キャリアと変わりませんが、3G回線を利用する格安SIMの場合、会話が途切れるといった事もあります。
最近は多くのMVNOの事業者がLTEか4G回線を利用していますので、事前に確認しておけば問題ないかと思います。
4.SIMカードが使用できない端末がある
仕組みのところでも触れていますが、MVNOのSIMカードが使用できない端末もあります。
SIMロックされている端末は利用している通信回線が大手キャリアと異なる場合は使用できない場合があったり、SIMカードのサイズが違うと挿す事ができなかったりしますので注意が必要です。
このような場合、SIMロックを解除したり、SIMカードのサイズを変更することも可能ですが、別途費用がかかることもあります。
5.別で端末を購入すると手間が増える場合がある
MVNOの事業者で販売している端末もありますが、他に使いたい端末がある場合はご自身で購入する必要が出てきます。
この場合、以下のことを調べられた方が良いかと思います。
- 現在使用中のSIMカードがこれから使用する端末でも使えるのか
- 端末自体の保証は受けられるのか
- 以前に使用していた端末の場合、ちゃんと動作するのか
もともと使用していた端末を使用したい場合は、SIMカードを挿しかえるだけで確認ができますが、新たに購入する場合ですと、事前に情報収集等を行って十分に確認してからの方が安心です。
6.端末の故障等のサポートが受けにくい場合がある
格安SIMをインターネットなどから契約され、スマートフォンやタブレットなどの端末をご自身で購入された場合、端末自体の故障に対して、どこに調査や修理を依頼したら良いか分からない事があります。
Appleとは別に、iPhoneなどの修理専門店などがありますが、新品でも保証がなかったりして費用が高くなる事も考えられます。
スマートフォンが急に動かなくなったりしたときに慌てないためにも、修理やサポートを依頼できるところを確認しておいた方が良いかと思います。
7.利用状況によっては大手キャリアより月額料金が高くなる
大手キャリアに比べ、格安SIMは基本料金が安くなっていますが、使い方によっては料金が高くなってしまう場合があります。
- 1か月の電話利用が多い
- 1回の通話時間が長い
- 動画を見たり、ファイル等のダウンロードをよく行う
格安SIMは、1か月の通信量を抑える事で基本料金が安くなっている場合がありますので、上記に当てはまるような方は、オプションを追加したり、プランをしっかり検討する事をお勧めします。
8.キャリア独自のアプリが使えなくなる
格安SIMに乗り換える場合、それまで使っていた大手キャリア専用のアプリが使用できなくなる場合があります。
それまで気に入って使用していたアプリが急に使えなくなって不便に感じるなどを避けるためにも、乗り換え前に確認してみるのもありかと思います。
9.キャリアメールが使えなくなる
キャリア独自のアプリと同様に、格安SIMに乗り換えるとキャリアメールも使えなくなります。
「~@docomo.ne.jp」や「~@ezweb.ne.jp」、「~@softbank.ne.jp」などのメールアドレス自体が使えなくなりますので注意が必要です。
最近は、インターネットでの買い物等のいろいろなサービスでメールアドレスを登録する機会が増えてきています。キャリアメールが使用できなくなる事で、これまで利用していたサービスが使えなくなる恐れもありますので、事前に確認を行った方が良いかと思います。
キャリアメールの代わりに、「Gmail」や「Yahoo!メール」等のフリーメールを使用する事でメール機能自体を使う事ができますが、フリーメールをブロックされている方もいますので、家族や友人等とキャリアメールでやり取りをしていた方は乗り換え前に連絡しておいても良いかもしれません。
格安SIMを使ったスマホ生活のはじめ方
スマホをバリバリ使用されていた方、ガラケーをずーっと使われていた方、携帯電話すら持った事が無かった方、これまでのスマホの使い方は人それぞれです。
それぞれの方がどのように格安SIMを使ったスマホ生活を始めれば良いのでしょうか。
大手キャリアからの乗り換えで格安SIMを使用する
これまで大手キャリアでスマートフォンを使用されていた方が格安SIMへの乗り換えを行う場合の大まかな手順は以下の通りです。
- 現在契約中のキャリアで「MNP予約番号」を取得する
- 格安SIMを購入する
- これまで使用してたスマホに購入したSIMカードを挿す
MNP予約番号は、Mobile Number Portabilityの略で、これまで使用していた携帯電話番号を次に契約したキャリアや格安SIMでも継続できるようにするために取得します。
取得したMNP予約番号を使って格安SIMのMVNOと契約します。
あとは、入手したSIMカードをこれまで使用していたスマートフォンに挿すだけで使用できるようになります。
このパターンですと、キャリアの解約にかかる手数料等と格安SIMの購入時にかかる手数料で乗り換える事ができます。
新たに端末を用意してスマホとして利用する
格安SIMへの乗り換え時に、これまで使用していた端末とは別の端末を使用したい場合は、事前に端末を購入する等して用意しておく必要があります。
その後は、「MNP予約番号」を取得して格安SIMを購入する流れになりますので、通常の乗り換えと同じ手順になります。
- スマートフォンを用意する
- 現在契約中のキャリアで「MNP予約番号」を取得する
- 格安SIMを購入する
- これまで使用してたスマホに購入したSIMカードを挿す
解約と契約時の手数料に、スマートフォンの本体代がかかるだけでなく、スマホが格安SIMに対応しているものなのか等の確認をご自身で行う必要が出てきます。
初めてのスマホを格安SIMで利用する
これまでスマートフォンだけでなく、携帯電話も持っていなかった方向けの購入手順は以下の通りです。
- 格安SIMを購入する
- スマートフォンを購入する
- 購入したスマホにSIMカードを挿す
今まで携帯電話を使用されていなかった方は、最初から格安SIMを扱っているMVNO事業者からSIMカードを購入する事になります。
このとき、スマホ本体も必要となってきますが、MVNO事業者の中には格安SIMと一緒にスマホも購入できるところもあります。
また、これまで使用していた携帯電話番号を引き継ぐ必要がない方は、それまで使用したキャリア等の解約の手続きを行い、直接格安SIMを購入する事で使用できます。
2台目のスマホを格安SIMで利用する
2台目を格安SIMのスマホにされる方の手順は、初めてスマホを利用される方の手順とほとんど同じです。
- 格安SIMを購入する
- スマートフォンを購入する
- 購入したスマホにSIMカードを挿す
現在は使用していない端末がある場合は、新たに購入する必要がありますが、2台目の使用用途によっては、現在使用中の端末に格安SIMを挿して使用する事もできます。
また、それぞれの契約プランを見直すことで、1台目を電話中心で使用して、2台目をデータ通信専用にする等の使い分けを行う事もできます。
このように、格安SIMの使い方はいろいろあります。
契約次第で月々の料金を下げられて、これまでと同じように使う事もできます。
現在のスマホの利用料が高いと感じている方だけでなく、最近あまりスマホを使ってないと感じている方も一度、格安SIMを検討してみてはいかがでしょうか?
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